この教材にはなんと文字がありません。
なぜなら、

・文字ではなく絵を見て
・英語に耳を傾けて
・聴こえるままに真似してみること

これが、こどもたちが英語を話し始めるために何よりも大切だと考えるからです。

ロベ先生こと故・ロベルジュ教授(Professor Claude Roberge, 上智大学名誉教授)は、長年にわたる外国語指導と言語学者としての研究から『こどもの基礎英語力は、話しながら身につけるべき』という考えに辿り着きました。こどもたちの興味と気持ちに寄り添い、たくさん発話することを褒め「もっと英語を話してみたいな!」という前向きの気持ちを育むことが英語力を身につける上で欠かせない基盤だと考えます。この考えに基づいてつくられた教材が「ロベ先生とはじめてのえいご」です。

英語を学び始めた5〜9歳くらいのこどもを対象とした授業やレッスンに、ほんの10分ほど取り入れることで、イキイキとした自然な発話を手軽に取り入れることができます。ぜひお試しください。


すすめ方

まず最初は初級のページから始めることをおすすめします。
ロベ先生の指導法のポイントを意識して進めましょう:

🍏 絵を指差してお手本を耳に

教材の絵を指さしながら、先生のお手本英語を聴かせて、真似をして声に出してみることを促します。わかりやすい絵と、感情を声にのせたイントネーションやジェスチャーがあれば、それだけで充分にわかりやすく、日本語を介して説明する必要がありません。英語だけで進めることができます。

🍏 ゆっくりとした英語

リード役である先生や大人は、ゆっくりとした英語でお手本を聴かせます。こどもたちに真似しいてほしい自然で通じやすい英語を心がけて、ゆったりと聴かせましょう。真似してみることを促し、どんなに小さな声でも発話をほめて「できるかも♪」の気持ちを大切に育てましょう。

🍏 繰り返して身につける

次々に新しいページに進む必要はありません。同じページを何度か繰り返すことで、理解が深まり、もっと上手く英語が出てくるようになります。こどもの理解度とペースに合わせて、同じページを繰り返し活用し、自信を育むことを優先させましょう。


指導ポイント

こどもたちの英語学習がより実り多きものになるように、次のポイントを意識して、実用性の高い英語力につなげます。

🍎 英語らしいリズム

英語の「話すリズム」に乗せると、ぐっと英語らしくなって気持ちがいい上に、英語を実際に使う場面で通じやすくなります。これからの英語学習が「通じる英語」につながるように、カタカナリズムから離れて、英語らしく話すリズムを意識しましょう。

🍎 イントネーションの活用

感情を声のトーンや動作に盛り込んでイントネーションを活用すると、英語がより通じやすくなります。イントネーションは英会話で意思疎通をはかるために大切な役割を果たしますが、テキストや文法では学べません。絵に合わせて感情を声の調子で表して体得していきましょう。

🍎 間違いは直さない

間違えても大丈夫!これが基本姿勢です。この段階では発話を最優先して、間違いは直さず、リード役である先生や大人が正しいかたちでゆっくり繰り返すだけで大丈夫です。英語を吸収するにつれて、こどたちが自然に間違いに気付いて修正していくことを待ちます。間違いを直すよりも、こどもたちがよりうまく学び取れるお手本の示し方や、発話を促す工夫を続けることが、より安全で効果的です。

🍎 こどもが主役

最後に、ロベ先生の指導法の主役はこどもたちです。目の前のこどもの英語力と興味に合わせて、リード役となる先生や大人は、内容をもっと自由に楽しくアレンジできます。そして小さな発話もすかさず褒めて、英語を話すことに対するこどもたちの自信を大切に育てましょう。